特許要件
発明は、以下に示す特許要件を満たす場合には特許を受けることができます。
(1)産業上利用することができること
特許を受けることができる発明は、産業上利用することができなければなりません。これは、ただ単に学術的・実験的にしか利用できない発明は、保護することが適当ではないからです。特許法における産業は、工業、鉱業、農業などの生産業だけでなく、サービス業や運輸業などの生産を伴わない産業も含めた広い意味での産業を意味します。
(2)新規性があること
特許を受けることができる発明は、今までにない新しいもの(新規性があるもの)でなければなりません。これは、特許制度が新規な発明の公開の代償として特許権を付与するというものだからです。新規性を有しない発明は以下のように定められています。
1 特許出願前に日本国内又は外国において公然と知られた発明
例:テレビ、学会等による発表
2 特許出願前に日本国内又は外国において公然と実施をされた発明
例:製品販売、公開実験等
3 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明や電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明
例:特許公報、書籍、インターネット等に掲載
尚、上記のうち、学会での発表、博覧会への出展等により、その新規性を失ったものについて、例外的に救済を受けられる場合があります。しかし、この例外的な救済を受けるためには、公表した日から6月以内に救済を受けたい旨の書面とともに特許出願をしなければならないほか、特許出願の日から30日以内に公表等の事実を証明する書面を提出しなければなりません。また、日本で救済されたとしても外国では救済されない場合があります。従って、適切に権利を確保するためにも、発表する前にまずは出願することを考えて下さい。
(3)進歩性があること
すでに知られている発明から誰でも容易にできる発明(進歩性がない発明)については、特許を受けることができません。技術の進歩に貢献しない発明には特許権を与えるほどの価値がないし、容易に思いつく発明にまで特許権が認められるようになると、日常的に行われている技術的な改良についても特許をとられてしまうことになり産業の発達を阻害するからです。進歩性があるかどうかの判断は、その分野の専門家からみて、その発明に至る考え方の道筋が容易であるかどうかで判断します。
(4)最先の出願であること
別々の発明者が同じ発明を同時期に特許出願する場合があります。この場合、先に発明をした者ではなく、先に出願した者に特許が与えられます。このように、同一の発明について、先に他人に出願されてしまうと特許を受けることができなくなりますから、発明をしたらできるだけ早く出願することが大切です。
(5)その他
その他、公序良俗に反しないこと、出願書類の記載に不備がないことなどが必要です。