代表的な国際標準化団体であるISO、IEC、ITUは、パテントポリシーの統一を図っています。パテントポリシーとは、標準化を進める際に特許等の知的財産権をどのように扱うかを定めるものです。
パテントポリシーは、いわゆる標準化におけるホールドアップ問題を抑止するために重要です。ホールドアップ問題とは、標準化された規格の利用に必須となる特許を保有する者が、その特許の利用を制限し、または高額なライセンス料を要求して規格の利用が妨げられる問題のことです。ISO、IEC、ITUによって統一化されたパテントポリシーの概要は以下の通りです。
(1)入手できる特許権等の情報は、最大限に開示する。
(2)特許権等を含む規格を制定する場合、その特許権等の権利者は、その特許権等について非差別的かつ合理的な条件(RAND条件:Reasonable And Non-Discriminatory)で許諾することを宣言するように要請する。
(3)宣言の内容は、特許声明書として様式化し、その中で「無償での許諾」及び「RAND条件での許諾」又は「拒否」のいずれかを選択して提出する。
(4)RAND条件が拒否された場合、その特許権等を含む技術を標準化しない。
(5)パテントプールの形成(標準に含まれる特許のライセンスを一括管理すること)については、ISO、IEC、ITUは関与しない。
パテントポリシーではホールドアップ問題の発生を完全になくすことはできませんが、一定の抑止力が期待されています。