アーバン特許事務所 中小企業 知財 弁理士 意匠 商標

PCT

 PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)とは、複数の国に対する特許出願の手続きを簡素化し、出願人の負担を軽減するための条約です。PCTに従って一つの出願願書を提出することによって、PCTの加盟国の全ての国に同時に提出したことと同じ効果を得ることができます(PCTルート)。但し、特許として認められるかどうかは、最終的には各国特許庁の実体的な審査に委ねられています。

(1)PCTルートで出願できる国

 国内出願を基礎とするPCT出願の場合、国内出願の出願日(優先日)を基準として手続きが進行します。 PCTの加盟国(2009年6月現在、141カ国)です。一方、PCTルートで出願できない国としては、台湾、タイ、アルゼンチン、ブルネイ、ボリビア、パナマ、ウルグアイ、モーリシャスなどがあります。

 参考:PCT加盟国一覧表(特許庁HP)

(2)PCTルートによる出願の流れ

  PCTルートによる出願の流れは、以下に示すフローチャートの通りです。



・国内出願
 国内出願を基礎とするPCT出願の場合、国内出願の出願日(優先日)を基準として手続きが進行します。 

・国際出願
 出願人は、日本語または英語によって国際出願の書類を作成し、受理官庁(日本では日本国特許庁)に提出します。国内出願を基礎とするPCT出願の場合、国内出願の出願日(優先日)から1年以内に出願を行う必要があります。出願が受理されれば、PCT加盟国の全ての国に出願をしたものとみなされます。

・国際調査報告
 国際調査は、関連のある先行技術を発見することを目的として行われる調査です。国際調査報告では、関連のある先行技術と合わせて、特許性に関する見解書が作成されます。

・19条補正
 出願人は、国際調査報告の送付の日から2月または優先日から16月のいずれか遅く満了する期間内に、PCT19条の規定に基づいて請求の範囲を1回に限り補正することができます。

・国際公開
 国際事務局は、優先日から18月が経過した後速やかに国際出願の国際公開を行います。

・国際予備審査の請求
 国際予備審査は、特許性について各国の審査が行われる前に予備的かつ拘束力のない見解を示すことを目的とした審査です。出願人は、必要に応じて国際予備審査の請求をすることができます。

・34条補正
 国際予備審査の請求をした出願人は、国際予備審査の請求書の提出の時、または国際予備審査報告が作成されるまでの間に、請求の範囲、明細書、図面について補正することができます。

・国際予備審査報告の作成
 出願人が国際予備審査の請求をした場合、所定の期間内に国際予備審査報告が作成されます。国際予備審査報告は、国内移行手続きを行った国が要求した場合、国際事務局の責任において英語に翻訳され、附属書とともに各国特許庁に送達されます。

・国内移行手続き
 国内移行手続きは、特許を取得したい国に国際出願の処理または審査をしてもらうための手続きです。原則として、優先日から30月以内に各国の言語による翻訳文を提出する必要があります。

(3)PCTルートのメリット

  PCTルートの最大のメリットは、各国で特許を取得する途を残しつつ、翻訳費用や現地代理人の費用などの高額な費用を先送りできることです。

 海外ビジネスの成否は、半年から1年程度で結果が出るものではありません。PCTルートによる出願では、優先日から30か月以内に特許を取得する国を決めれば良く、ビジネスの状況に応じたフレキシブルな対応をすることができます。



外国に出願するには


外国出願すべきか


出願から登録までの流れ


パリ条約


PCT


EPC